参考にしたいアパレルブランドのInstagram活用事例4選

「他社アカウントを参考にしたいけれど、どのブランドを見ればいいのか分からない」「なんとなく素敵だとは思うけれど、何が良くて伸びているのか言語化できない」——Instagram運用を担当していると、こうした悩みにぶつかることが多いのではないでしょうか。

この記事では、実際に公開されているアパレルブランドの公式Instagramアカウントを調査し、それぞれが「どんな投稿をしているか」という事実と、「なぜそれが参考になるのか」という分析を分けて整理しました。読み終える頃には、自分のアカウントで明日から試せる具体的なヒントが見つかるはずです。なお、フォロワー数などの数値は、外部の分析サービスや報道記事など公開情報の時点のものであり、変動する可能性がある点はあらかじめご了承ください。

目次

まず結論:事例から学ぶべき共通点

今回調査した4つの事例に共通していたのは、次の3点でした。

  • 「ユーザーの投稿」を主役にする仕組みを持っている(UGCの活用)
  • 1つの公式アカウントに情報を詰め込まず、目的別にアカウントを分けている
  • 投稿から購入・応募までの「次の行動」への導線が明確に用意されている

この3点を、実際の事例を通して詳しく見ていきましょう。各事例は「どんなアカウントか(事実)」「何が参考になるか(分析)」「自分にどう応用できるか(示唆)」の順で紹介します。

事例1:ユニクロ(UGCの再編集でハッシュタグ自体をブランド化)

UNIQLO公式Instagramのプロフィール画面
出典: @uniqlo_jp(UNIQLO公式Instagram)より

どんなアカウントか(事実)
ユニクロは全国区の公式アカウント「@uniqlo_jp」を運用しており、商品そのものの紹介だけでなく、ユーザーが「#uniqloコーデ」というハッシュタグをつけて投稿したコーディネート写真を紹介する取り組みを行っています。店舗や商品を直接紹介するのではなく、「その商品を使ったユーザーの世界観を紹介する」という視点に立った運用が特徴です。

何が参考になるか(分析)
ポイントは、「商品を紹介する」のではなく「その商品を使ったユーザーの世界観を紹介する」という視点の転換です。さらに、「#uniqlo」のような汎用的なハッシュタグだけでなく、「#uniqloコーデ」という使い方が明確なハッシュタグを用意することで、「このハッシュタグ=コーディネートの参考になる投稿が集まる場所」というイメージを自分たちで作り出しています。ハッシュタグを単なる分類タグではなく、ユーザーとの接点・ブランドイメージそのものとして育てている点が学びになります。

自分にどう応用できるか(示唆)
すでに「#(ブランド名)」のような一般的なハッシュタグを使っている場合は、目的や投稿内容が伝わる独自ハッシュタグを新たに設け、そこに集まる投稿の「質」を意識して紹介先を選ぶという運用に切り替えられないか検討してみましょう。投稿主にDMで一声かけてから紹介する、といった丁寧な運用が信頼につながります。

事例2:BEAMS(150以上のアカウント網とハブ構造)

BEAMS公式Instagramのプロフィール画面
出典: @beams_official(BEAMS公式Instagram)より

どんなアカウントか(事実)
BEAMSは2013年9月からInstagram運用を開始し、10年以上にわたって公式アカウント「@beams_official」(フォロワー100万人超)を運用しています。特徴的なのは、公式アカウント単体ではなく、店舗・レーベル・スタッフ単位のアカウントを含めて150以上のアカウントを保有している点です。公式アカウントはそれらをまとめる「ハブ」としての役割を担っており、各アカウントでは店舗スタッフによるスタッフスナップ(私服・着こなし紹介)やイベント情報、リールを使った映像コンテンツなどが発信されています。

何が参考になるか(分析)
一つのアカウントであらゆる客層・目的をカバーしようとすると、投稿内容が薄まったり、誰に向けた発信か分かりにくくなったりしがちです。BEAMSは「公式」「店舗」「レーベル」「スタッフ」という単位でアカウントを分け、それぞれが専門性の高い情報を発信できる構造にしています。公式アカウントは各アカウントへの入り口(ハブ)として機能し、全体として大きなネットワークを作っている点が特徴です。また、スタッフ自身が着こなしを見せることで、企業アカウントでありながら「人となり」が伝わる親近感を生んでいます。

自分にどう応用できるか(示唆)
複数店舗・複数ブランドラインを持つ場合、いきなり150アカウントを目指す必要はありませんが、「公式アカウントで扱いきれていない情報は何か」を棚卸しし、必要であればスタッフ紹介用や店舗別のサブアカウントを検討する価値はあります。まずは一部の投稿を「スタッフ目線」に変えてみるだけでも、親近感の作り方は参考にできます。

事例3:GU(メンション運用によるUGCリポスト)

GU公式Instagramのプロフィール画面
出典: @gu_for_all_(GU公式Instagram)より

どんなアカウントか(事実)
GUは「@gu_japan_official」など複数の公式アカウントに加え、コーディネート紹介に特化した「@gu_for_all_」というアカウントを運用しており、こちらは公式アカウントよりも多い122万人前後のフォロワーを抱えています。プロフィール欄には「みなさんの素敵な投稿お待ちしています」と明記されており、GUのアイテムを取り入れたユーザーの投稿をアカウントにメンションしてもらい、そこからリポストで紹介するという運用を行っています。投稿にはInstagramのショッピング機能も設定され、写真からそのままECサイトの商品ページに遷移できる導線が用意されています。

何が参考になるか(分析)
「投稿を作る」ことと同じくらい、「投稿を集める仕組みを作る」ことに力点を置いている点が学びです。プロフィール欄で募集を明言し、メンションという分かりやすい参加方法を提示することで、ユーザーが自発的に投稿しやすい状態を作っています。さらに、紹介されたコーディネート写真から即購入につながる導線を用意することで、「見て終わり」にせず売上まで結び付けています。

自分にどう応用できるか(示唆)
プロフィール欄に「投稿を紹介させてもらうことがあります」といった一文を加えるだけでも、ユーザーの投稿意欲は変わります。あわせて、紹介した投稿から商品ページやサイトに遷移できる導線(ショッピング機能やリンクスタンプなど)を整えることで、UGCを紹介するだけで終わらない仕組みに近づけられます。

事例4:niko and …(雑誌のような編集思想で世界観を統一)

niko and...公式Instagramのプロフィール画面
出典: @nikoand_official(niko and…公式Instagram)より

どんなアカウントか(事実)
niko and …は公式アカウント「@nikoand_official」(フォロワー66万人台)を軸に、「niko and … men」「niko and … SNAP」「niko and … TOOLS」など、目的別に細分化した複数のアカウントを運用しています。ブランドのコンセプトは「雑誌のように編集された店舗」で、特集や連載のような形式で情報を発信し、訪れるたびに新しい発見があることを目指しているとされています。SNAPアカウントではスタッフのコーディネートを、TOOLSアカウントでは生活雑貨にまつわる特集記事のような投稿を、それぞれ独立したテーマで展開しています。

何が参考になるか(分析)
アパレル・雑貨・家具・飲食と複数の事業領域を持つブランドでありながら、「雑誌の編集」という一貫した思想ですべてのアカウントを束ねている点が学びです。投稿ジャンルがバラバラでも、「編集された特集を届ける」という表現の型を統一することで、どのアカウントを見ても同じブランドだと分かる世界観を保っています。

自分にどう応用できるか(示唆)
複数の商品カテゴリやテーマを扱う場合、投稿ごとにフォーマットがバラバラになっていないか見直してみましょう。「特集」「連載」のように名前を付けたコーナーを作るだけでも、投稿に一貫性が生まれ、フォロワーが「次はどんな特集だろう」と期待して見に来てくれるようになります。

事例を横断して見えた、共通する成功のポイント

UGCを主役にする、役割ごとにアカウントを分ける、次の行動への導線を用意する、という3つの成功ポイントをまとめた図

5つの事例を並べてみると、業態やブランドの規模が違っても、共通する構造が見えてきます。

1. ユーザーの投稿を「素材」ではなく「主役」にしている
ユニクロもGUも、企業が一方的に発信するのではなく、ユーザーの投稿を紹介する形を軸にしています。共通しているのは、ただ紹介するだけでなく「どう集めるか」「どう選ぶか」の設計まで行っている点です。

2. 1つのアカウントに詰め込まず、役割で分けている
BEAMS、niko and …はいずれも、公式アカウント1つですべてを完結させず、店舗・ブランドライン・目的ごとにアカウントを分けています。それぞれが専門的な情報を発信できるため、フォロワーは自分の興味に合ったアカウントを選んでフォローできます。

3. 「見る」から「次の行動」への導線が用意されている
ショッピング機能によるEC遷移、ハッシュタグキャンペーンの応募フォーム、独自ハッシュタグでの投稿促進など、いずれも投稿を見た後にユーザーが取れる行動が明確に設計されています。投稿の「見栄え」だけでなく、その先の導線まで含めて設計されている点が共通しています。

まとめ:まず何を真似るか

今回紹介した5つの事例は、それぞれアプローチは異なりますが、根底にあるのは「ユーザーを主役にすること」「役割ごとに情報を整理すること」「次の行動につなげること」という3つの共通点でした。

すべてを一度に真似る必要はありません。まずは今日から着手しやすいものとして、次の2つをおすすめします。

  • プロフィール欄に「投稿を紹介させていただくことがあります」と一言添え、ユーザー投稿を紹介できる状態を作る
  • 投稿のフォーマットに「特集」「今週のコーデ」のような名前を付け、シリーズ化してみる

小さな一歩からでも、自社のアカウントに「参考にしたい」と言ってもらえる仕組みは作っていけます。

ここまで読んで、「やることは分かったけれど、毎回この投稿文を考えて、ルールに沿って整えるのは大変そう」と感じた方もいるかもしれません。

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